萩生田文科相が大学入学共通テストの英語民間試験活用について、
不公平感に関する質問に対し、
「自分の身の丈に合わせて、2回をきちんと選んで勝負して頑張ってもらえれば」と発言し、
のちに発言撤回し、陳謝した問題が話題になっています。
大学入学共通テストとは?英語民間試験の活用の問題点などをまとめてみました。
大学入学共通テストにおける英語民間試験の活用とは?
国公立大学受験に必須となっている大学入試センター試験。
私立大学でも大学入試センター試験の点数を活用するなど、毎年50万人以上の受験生が受験する、
受験生にとって年1回の一大イベントになっています。
毎年1月に行われるこの大学入試センター試験のために、多くの受験生は必死になって勉強しています。
この大学入試センター試験が、2020年1月の実施を最後に廃止され、
大学入学共通テストに移行することが決まっています。
大学入試センター試験ではすべての問題がマークシートでの回答方式になっていますが、
新しく導入される大学入学共通テストでは、
国語と数学で記述問題が出題される予定のようです。
そして大学入学共通テストのもう一つの目玉が、英語の民間試験活用です。
これまで大学入試センター試験では、「読む」「聞く」の2技能が評価されていました。
しかし、文部科学省の英語教育の在り方に関する有識者会議で、
楽天会長の三木谷浩史が民間試験の利用を強く主張。
それにより、英語の試験は民間試験を活用しつつ、
大学入試センター試験と同様のマーク式の問題も4年間は継続し、
2023年度までは、民間の試験と共通テストのどちらを活用するかは各大学に委ねられることになりました。
大学入学共通テストにおける英語民間試験の活用の問題点は?
大学入学共通テストに英語民間試験を活用する理由は、これまで大学入試センター試験で評価されていた
「読む」「聞く」の技能に加え、「話す」「書く」技能も評価するにあたり、
同日に一斉に行われる大学入学共通テストでは、特に「話す」技能の評価を行うのが難しいからです。
「話す」ですから、試験官と受験生との1対1で対話し評価するですとか、
もう少し柔軟にするにしても、試験官2~3人に受験生5~6人を評価するくらいだと考えると、
到底1日で試験が終わるとは思えないですよね。
なので、民間試験を活用し、分散して受けてもらえるようにしようという発想になったようです。
日本人がグローバル社会の中を生きていくために、英語を話す能力は身に着けておきたいので、
大学受験を機に勉強することで、一般教養として英語を話せるようにさせておく、というのはありかもしれません。
しかし、問題なのは、大学入学共通テストの英語科目として評価される民間試験が複数あること。
民間試験の出題内容については各民間試験の実施団体にゆだねられており、
それぞれの試験の目的に合わせ、内容や難易度、試験方法、実施回数も違います。
つまり、学習指導要領にもとづいた出題ではないのです。出題内容も内容も非公開のようです。
これでは「共通テスト」とは言えないのではないか、との批判があります。
また、受験料についてもまちまちで、一回6,000円くらいのものから、20,000円以上かかるものもあるそう。
お金に余裕のある家庭であれば、何度も受けて練習を重ねてよい点数を狙うでしょうが、
そうでない家庭では最低限の回数しか受けられないかもしれません。
また、実施会場にも偏りがあるため、
地域によっては宿泊を伴うなど、さらに出費がかさむことが考えられます。
教育基本法第4条には、
1 すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、
人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
2 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、
教育上必要な支援を講じなければならない。
3 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、
奨学の措置を講じなければならない。
とあり、
教育の機会は公平に与えられるよう、国及び地方公共団体は支援する必要があります。
それにもかかわらず、国公立大学入学に必須の大学入学共通テストに位置づけられる英語民間試験に、
経済的、地域的格差が発生しかねないという点が、問題になっているようです。
この問題に対する、萩生田文科相の発言(のちに撤回)が
「自分の身の丈に合わせて」というもの。
これは批判されても仕方ないように思えますね。
萩生田文科相の発言により注目されたこともあり、
大学入学共通テストにおける英語民間試験の活用については、再度検討されるようです。
英語民間試験の活用について受験生等の反応は?
萩生田文科相の発言により注目された大学入学共通テストにおける英語民間試験の活用について、
受験生や世間の反応はどういったものがあるのでしょうか?
@yunashan39221 さて、萩生田大臣は暴走列車にブレーキをかける事ができる人物なのか?
英検予約申込日まで、後1週間
(;-ω-) #英語外部試験 #共通テスト— ゆなしゃん (@yunashan39221) 2019年9月11日
#英語外部試験
どっちみち勉強はしなきゃだしどっちでもいいんだけど実施やめるんだったら年変わる前には決めてくれよな— ちこりこ (@chikoriko15323) 2019年10月27日
英語民間試験の活用法見直し要望へ
本日の読売新聞より
そろそろ国、文科省もこの異常事態に気づいてほしい。#英語外部試験 #大学入学共通テスト #英語民間試験 #文科省 pic.twitter.com/I954dv51A1— stsune (@stsune1) 2019年9月10日
なかなか賛成意見は見つけられませんでした。
そして受験生にとってみては、どうなるのか早く決まってほしいというのが一番かもしれませんね。
日本では出身大学が今後の社会人人生に与える影響が大きいので、
大学受験は非常に大きなイベントです。
受験生たち勉強に集中できるよう、すべての受験生たちが公平に受験できる環境を一刻も早く整えてほしいものです。
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