沢尻エリカ容疑者が合成麻薬MDMA所持の疑いで逮捕されました。
大麻や覚せい剤に比べ、聞きなれない合成麻薬MDMAとは、いったいどんなものなのでしょうか?
合成麻薬MDMAの法律上の種類は?
日本では、MDMA含めた違法薬物は、取り締まる法律ごとに以下のとおり分けられています。
1 覚せい剤取締法
薬物名の例・・・覚せい剤
2 大麻取締法
薬物名の例・・・大麻
3 麻薬及び向精神薬取締法
薬物名の例・・・コカイン、ヘロイン、LSD、MDMA
4 あへん法
薬物名の例・・・あへん
MDMAは、取り締まる法律上はコカインやヘロインと同じ扱いなのですね。
コカインはシャーロック・ホームズが愛用していたという設定でも有名で、
19世紀後半から20世紀初頭には広く販売されていたようです。
世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)や、
アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版(DSM-IV)においては、
MDMAは幻覚剤として分類されています。
合成麻薬MDMAの人体への影響は?
MDMAを摂取すると、人体にどういう影響が出るのでしょうか?
MDMAは視覚、聴覚を変化させる作用があり、
摂取すると幸福な気分になったり、他人に対する親近感が増すなどと言われています。
これは、MDMAが脳内のセロトニン等を過剰に放出させることにより、
多幸感をもたらし、他者との共感などの変化をもたらすためだそうです。
もちろん良い面だけではなく、副作用として、
不安不眠等に悩まされることになってしまいます。
また、強い精神依存性をもっているのも特徴です。
このため、1回だけの摂取と思っても、また摂取を繰り返してしまう可能性が高いです。
そのようにして乱用を続けてしまうと、錯乱状態に陥り、
腎臓、肝臓の障害になったり、記憶障害等の症状も現れることになります。
日本においては、別名エクスタシーとも呼ばれています。
白色結晶性の粉末のものを、錠剤又はカプセルの形にして
密売されているようです。
海外でのMDMAの状況は?医療用として使える?
アメリカでは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対するMDMAを併用した心理療法の臨床試験が進行しているようです。
成人の自閉症の患者の社交不安や、がん患者の抑うつに用いる臨床試験も行われているようです。
そのほかの国では、イギリス、イスラエル、スイス、カナダでも臨床試験が行われており、
いつか医療の場で適正に治療薬として扱われることになるかもしれません。
だからといって、一般人が医療の研究のため持っていたと言い訳はできません。
日本では、 研究目的で同薬物を精製ないし使用する際には、
麻薬及び向精神薬取締法第2条第8項に規定される麻薬研究者の免許が必要となるのです。
MDMAの所持は、7年以下の懲役、施用(しよう、経口摂取など、身体に用いること)は7年以下の懲役となり、
譲受けや譲渡も7年以下の懲役、輸入、輸出、製造は1年以上10年以下の懲役となります。
法律上禁止されているからというのはもちろんですが、自分の身を守るためにも、
MDMA始め、違法薬物には絶対に手を出さないようにしてくださいね!
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